トランプ大統領誕生で為替は円高/円安のどちらに動くのか?

<メールマガジン 2016年11月11日>

118日に行われた米大統領選挙ですが、事前の予想に反して共和党のトランプ候補が勝ってしまいましたね。


接戦になるとは言われていましたからアップセットとまでは言えないものの、民主党クリントン候補の勝利を予想するメディアのほうが大半でしたし、実際に得票数ではクリントン候補のほうが上回ったようです。


この動きを受けて9日のアジア諸国の株価は暴落しました。
日本株はその中でも台湾・韓国・インド・香港(中国)などを大きく上回る4.6%の下落でした。


リーマン・ショックの時なども同じですが、対岸の出来事なのに一番大きく反応(下落)してしまうのが日本の株式市場なんですよね。
今回もその傾向が見られました。


共和党とトランプ氏の緩和的な政策で米国の財政悪化を懸念
それでは実際にトランプ大統領になってからの米国経済がどうなるかを考えてみましょう。


共和党とトランプ氏は選挙の時に、減税と緩和的な政策との方針を打ち出して支持を訴えてきました。
法人税減税並びに個人の所得減税などの実施が予想されるため、歳入の減少が予想されます。


その一方で、トランプ氏は米国の老朽化したインフラを再建する計画で、クリントン氏が打ち出した5年間で2750億ドル(約28兆円)の2倍の規模を主張してきました。
共和党も緩和を支持する政党なので、その規模はともかく、どちらにしても歳出の増加になってくるでしょう。


そのため今後は米国の財政悪化が懸念されます。
欧州のある金融機関からは選挙中のトランプ氏の発言を踏まえて、トランプ大統領が誕生した場合、現在GDPの約80%の米国の債務残高が、今後10年間で130%近くまで増加するという試算も出ています。


実質金利の上昇も予想されるので、日米の金利差が拡大と貿易収支の悪化で、為替は円安方向に向かうというのがファンダメンタルズに基づいたシナリオになると思います。


不安感が勝れば円高方向に進む可能性も
しかし、暴言を繰り返してきたトランプ氏だけに世界に不安も広がっています。


また、トランプ氏は米国の製造業を守るために「ドル高を容認しない」という発言をしてきました。


早速TPPには参加しない方針を打ち出しています。
さらに北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉または脱退を表明するなど保護主義的な政策を打ち出していますが、そのような動きを世界が容認するとは限りません。

 

投資家が嫌うのは不透明感であるので、「有事の際の円買い」が起こって円高になる可能性も十分に考えられると思います。


緩和的政策は世界経済にとっては大きなプラス
このようなことから基本的には円安というのがメインシナリオで、但し、不安感が勝った場合には円高が進む可能性があるというのが現在の状況です。


これからは閣僚人事など、トランプ氏の周囲にどのような人物が選ばれるかについても注視していく必要がありますね。


どちらにしても緩和的な政策で米国経済の成長率が上昇することは、世界経済にとっては大きなプラス要因になってくるはずです。
IMF(国際通貨基金)などが世界経済の成長率見通しを引き上げることに繋がる可能性は高いと思います。


今後のトランプ氏の動きには注目をしていきましょう。

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