＜ニュースレター「マネーの知恵」　2022年7月発行＞

これは日本株（TOPIX）と日本国債、先進国株、先進国株を25%ずつ保有した場合のパフォーマンスです。
単年で見れば、2000年以降ではマイナスリターンに終わった年が5回あります。

2000年　-2.18％

2002年　-8.48％　（ITバブル崩壊）

2008年　-29.5％ （リーマンショック）

2011年　-4.14％　（欧州債務危機）

2018年　-7.89％

2000年はIT需要の急低下で景気が急に悪化をし始めて、日本のデフレが始まったタイミングです。
また、2018年は2020年7月30日になって政府（内閣府）が景気後退入りしていたことを認めました。
（安倍政権がアベノミクスの失敗を認めたくないために、景気後退に陥っていることを認めなかったとしか思えないですが、）株価は下落、仮想通貨バブルの崩壊も起きて、年後半にマーケットは大きく荒れました。

リーマン・ショックが起きた2008年の約29%の大幅なマイナスになった年を除けば、1割以下の下落幅にとどまっており、分散投資の効果は大きいことがわかりますね。
しかし、22年間で5回マイナスに終わった年があるわけです。
勝ち負けでいうと17勝5敗ということになります。

＜日本株（TOPIX）と日本国債、先進国株、先進国株を25%ずつ組み合わせた場合のパフォーマンス（3年）＞

これは先程の4資産を25%ずつ均等配分したものを、3年保有した場合のパフォーマンスです。3年保有の場合、マイナスに終わった年は2000年、2006年～2008年の4回。
勝ち負けでいうと16勝4敗。

＜日本株（TOPIX）と日本国債、先進国株、先進国株を25%ずつ組み合わせた場合のパフォーマンス（5年）＞

こちらは4資産を25%ずつ均等配分したものを、5年保有した場合のパフォーマンス。
5年保有の場合は、マイナスに終わったのは2006年～2008年の3回。
15勝3敗で、最も大きく下がったのが2007年から投資を行ったケースで、-5.81%という結果です。
投資を始めてすぐにサブプライムローン問題で米国市場の変調が始まり、翌年（2008年）にリーマンショックが起きたタイミングで、結果的に2007年に投資を始めるのは最悪のタイミングだったといえるでしょう。

ちなみに2007年は日本では株式やFXのデイトレーダーが大変もてはやされたタイミングです。
ITバブルの崩壊から立ち直り、2003年から2006年にかけてマーケット環境が良かったことから、個人が次々に投資を始めてベトナム株ブームなんかも巻き起こしました。
その後一気にマーケットが崩れてリーマンショックが起きたわけです。
今回のコロナショックもそうですが、にわか投資家が急増するのは一つの危険サインだと思います。

＜日本株（TOPIX）と日本国債、先進国株、先進国株を25%ずつ組み合わせた場合のパフォーマンス（7年）＞

4資産均等配分を7年保有した場合がこちら。
14勝2敗で、最悪が2005年に投資を始めた場合の-0.42%。

＜日本株（TOPIX）と日本国債、先進国株、先進国株を25%ずつ組み合わせた場合のパフォーマンス（10年）＞

10年保有の場合は一度もマイナスがありません。
効果的な分散を行い、長く保有すればするほど損失を出すリスクが低減して、リターンが安定することが理解できるのではないでしょうか？
これが長期投資の効果です。