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損をしたくない、もったいないという気持ちが強い人ほど損をする

<ニュースレター「マネーの知恵」 2022年12月発行>

行動経済学の研究でよく知られているものの一つにプロスペクト理論があります。
ちなみにプロスペクト(prospect)とは、「見込み、展望、期待」という意味で、「これからどうなっていくのだろう」という将来に対する見通しのことをいいます。

そしてプロスペクト理論において、「人は損失を避けようとする習性がある」と考えられており、この損失を避けようとする人間の思考の習性のことを「損失回避性」と呼んでいます。
簡単に言うと、「人間は儲けたいという感情よりも、損をしたくないという感情のほうが勝る」ということですね。

個人投資家がやってしまいがちな投資行動に、プラスの収益が出るとすぐに「利益確定」とか言って売ってしまうことや(これは「今売っておけば損はしない」という感情が働くため)、また、損失確定を嫌うがために保有商品を長期間にわたって塩漬け状態にしてしまうことがありますが(「今売ると損失が出てしまう」と考えてしまうために起きるミス。過去に買った価格は忘れて、未来だけを見るのが正しい投資行動です。)、これこそ損失回避性が働くためであり、「損をしたくない」という気持ちが強い人ほど陥りがちな罠なのです。

このように損失回避をしたいというのは人間の本能の部分ですから仕方ないことではあるのですが、しかし、その気持ちが強過ぎるとさまざまな問題も起きてきます。
そこで今回は「損をしたくない」「もったいない」という気持ちが強い人ほど陥りやすいことについて書いてみようと思います。


①インフレに負けてしまう
202211月の消費者物価指数は前年同月比3.8%の上昇となりました。
生鮮食品を除くコアインフレ率は前年同月比3.7%の上昇、生鮮食品及びエネルギーを除くコアコアインフレ率も前年同月比2.8%で、政府と日本銀行が示しているインフレターゲットの2%を上回る水準。
日本では2000年あたりから物価が上がらないデフレの時代が続いてきましたが、再びインフレの時代に戻ったと考えておいたほうがいいでしょう。

その一方で、マイナス金利政策が続いているため預貯金の金利はほぼゼロで、実質金利マイナスの状態が続いています。
このようなタイミングで預貯金にお金を預けていると、額面は減らないかもしれませんが、確実に価値は下がっていくことになります。

「実質金利」を基準にして考えることはずっとインフレと戦ってきた海外の人達の間では当たり前のことで、大切な資産を守るために投資を行うというのも一般世帯まで広がっている考え方です。
しかし、日本では「損をしたくない」という気持ちから投資を敬遠し、インフレから資産を守る投資は全く行っていないという人が多い状況。
長かったデフレの時代が、資産保全で最も優先されるのは「インフレに負けないようにする」ということを忘れさせてしまったのでしょう。

②長期投資ができない
「損をしたくない」という気持ちが強い人は、せっかく投資をしても利益確定を急いでしまう傾向があるため、長期投資を実践することが難しい傾向があります。
基本的に短期で株価がどうように動くのかを当てるのは困難なことで、「買い時」と「売り時」を見計らって当てにいくような投資は上手くいくものではありません(そのような投資が楽しいのは理解できますけどね)

データ出所:JPモルガン・アセット・マネジメント「歴史から学ぶ、​継続投資の有効性20207月」

上記のグラフで分かるように、過去S&P500で大幅上昇が起きた日は、大幅下落の直後であることがほとんど。
仮に1988年に去S&P5001万ドルを投資していたとすれば、2020年までに約20倍に増えていることになりますが、しかし、上記のグラフの大幅上昇した40日を逃していたとすると、約2.4倍の上昇にとどまってしまいます。約10倍の差は大きいですよね。

従って投資で成功するにはとにかく持ち続けて、突然やってくる追い風を待つような姿勢が必要なのですが、「損をしたくない」という気持ちが強く、長期投資が出来ない人はそのような追い風のメリットを享受できる可能性が低くなってしまうのです。

③損失確定をすることが苦手
先述の通りで、損失確定を嫌うがために保有している銘柄を長期間にわたって塩漬け状態にしてしまう傾向があります。
そのため別資産での貴重な投資機会を逃してしまうことが往々にして起きるものです。

④コストばかりに目が行き、本当に良い商品を手に入れられない
「損をしたくない」「もったいない」という気持ちが強い人は「手数料が安ければ、利益が出なくても損はしないだろう」と考えがちで、そのため「手数料が安い」「損をしない」商品を求める傾向があります。
近年のパッシブ投資(ETF、インデックスファンド)志向の人に、このような人は多いでしょう。
その一方で、投資上手な人は「利益が出る可能性が高い」商品を求める傾向が強いもので、根本的にスタンスが違います。

世界の経済成長率が低下する中、資産運用業界では株式や債券だけでは過去のような収益は期待することが出来ず、今後については株式や債券以外の投資(オルタナティブ)を増やしていくこと必要があることが常識となっており、オルタナティブ人材の獲得競争が起きています。しかし、おそらくコスト中心で考えてしまう前者の場合はオルタナティブを含む商品にはなかなか辿り着くことは出来ないでしょう。

データ出所:PWC「アセットマネジメント2025 資産運用業界における変革への対応」

⑤乗り遅れたくないと思いがち
「損をしたくない」という感情が強い人は、周囲の人達が投資で上手くいっているのを見ると、ついつい「自分も乗り遅れたくない」というように考えてしまいます。
そのため後から参入してしまうため、結果的に高値掴みをしてしまう傾向があります。
割高なタイミングでの参入は投資効率を著しく悪化させるため、成果が出にくくなってしまいます。とくに協調性が高い日本人が陥りやすい部分ですね。

ビジネスをやっても上手くいかない
以前ロバート・キヨサキの「金持ち父さん・貧乏父さん」の本がベストセラーになりましたが、あの本に出てくる金持ち父さんはアイデアマンで大変働き者です。

資産形成の面では投資で増やすことよりも、本来は頭を使ってたくさん働いて稼ぐことのほうが大切なのです。
そしてビジネスを成功させるポイントは「どれだけ数多くの失敗をできるか」なのですが、損をしたくない人は失敗したくないという気持ちもが強いため、積極的にチャレンジできないし、リスクを取って勝負をする勇気をなかなか持つことが出来ません。


今回は「損失回避性」の傾向が強い人がはまりがちな罠について書きましたが、投資に限らず、このような思考パターンによって損をしていることは多いので、注意をするようにしましょう。

【著者】
久保 逸郎(FPオフィス クライアントサイド代表)

ファイナンシャルプランナー
金融知力インストラクター
日経情報活用アドバイザー(日経メディアプロモーション公認)

<講師プロフィール>
高校を1年で中退。独学で大学入学資格検定を取得して大学進学。
大学卒業後は大手リース会社、外資系生命保険会社を経て、平成15年3月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立。
相談業務を中心に実務派ファイナンシャルプランナーとして活動する傍ら、ライフプランや資産運用などのお金のことについて年間100回近いセミナー等の講演活動や、マネー雑誌等への原稿執筆などを行う。


大和投信、三菱UFJ投信などの大手運用会社のアドバイザー(講師)を10年以上経験しており、マーケット環境や投資信託の活用方法についてのアドバイスを得意としている。

<主なメディア実績>
読売新聞・朝日新聞・朝日新聞AERA・東洋経済・財界九州・エコノミスト・マネープラス・FPジャーナル・ファイナンシャルアドバイザー・TVQ九州放送「九州けいざいNOW」・FBS福岡放送「めんたいワイド」・九州朝日放送「ニュースぴあ」ほか

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東京駅と夜空

【東京駅で皆既月食】
118日に東京ステーションホテルで行われた外資系運用会社のパーティーに参加した後、皇居方面に歩くとカメラを持った人がたくさんいました。
ふと私も振り返って東京駅を見てみると、ライトアップされた東京駅の上に皆既月食が・・・

442年振りの天体ショーを大変良い形で見ることが出来てラッキーでした。(スマートフォンでは上手に撮れませんでした)

   ごあいさつ

代表者 久保 逸郎

ライフプランと資産運用(投資)のエキスパート

プライベートでは週2回程度テニスをして、週末はランニング(マラソン)やキャンプ、スキー&スノーボード、シーカヤックなどを楽しんでいるアウトドア派。
大学時代から約30年間はアメリカンフットボールに携わっていました。
元オクトーバーベアーズ選手→コーチ→代表
'17~19みらいふ福岡SUNSコーチ

仕事やスポーツの時は真剣ですが、普段は温和な性格です。
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