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~老後資金2000万円不足問題~ 金融庁ワーキング・グループ報告書の中身とは

<ニュースレター「マネーの知恵」 2019年6月発行>

2019522日に金融庁の金融市場ワーキング・グループが「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)を発表しました。

私達ファイナンシャルプランナー(FP)にとっては既知の情報ですし、日頃から講演の機会等でよく話していることでもあるため、とくに発表された内容について目新しいものはありませんでした。

しかし、野党が政争の道具に利用しようとしたことや、麻生財務大臣が「報告書は受け取らない」と言い出してしまったこともあって大きな騒ぎになってしまいました。

とくに日頃から金融・経済に関心が薄い方にとっては大変なニュースだったのか、この問題はテレビのニュースでも大々的に報道されましたね。
朝日新聞などの新聞社各社は一面トップにこのニュースを持ってきて報じていましたし、YAHOO!ニュースなどでもコメント数第1位になっていたので、ご覧になった方も多いと思います。

「高齢社会における試案形成・管理」に書かれていること
その中で私が最も驚いたのは、YAHOO!ニュースのコメントで政府を非難するようなコメントがたくさん書かれていたことです。
近年個人型確定拠出年金の対象者拡大や、NISA・つみたてNISA等の非課税制度の創設等が行われましたが、なぜ政府がこのような制度を次々と打ち出していくのか、その背景まで考えれば、今更騒ぐほどのことでもなんでもないと思うからです。

それでは「高齢社会における試案形成・管理」報告書(案)にはどういったことが書かれているのでしょうか?
ざっくりと簡潔にまとめてしまうと、このような内容です。

【「高齢社会における試案形成・管理」の内容】

①これまでのような年金はもう期待できない
「公的年金だけでは望む生活水準に届かないリスク」の部分で、少子高齢化が進む現状では、今までと同等の年金の給付水準を維持することは期待できないことが示されています。

②元気なうちは働きましょう
日本の高齢者は元気で、思考レベルが高いそうです。
体力レベルは過去の高齢者と比べると高い水準にあり、2016年のデータでは65歳から69歳の男性の55%、女性の34%が働いていているとのこと。

また、60歳から69歳でインターネットを使っている人が全体の4分の3いて、これはOECD諸国の40代後半のレベルと変わらないそうです。
つまり日本の高齢者は体力的に元気で、しかも思考レベルも衰えていないのだから、70歳程度までしっかりと働いてくださいということです。

③退職金はあまり期待できません
退職金給付制度がある企業の割合は年々減っており、2018年で約80%。
また、定年退職者の退職給付額は平均1,700万円~2,000万円程度で、ピーク時から34割減少。

④長期・積立・分散投資が好ましい
投資の基本である「長期投資」「積立投資」「分散投資」の有効性について、データに基づいて紹介されており、長期・積立・分散投資は「リスクをコントロールし、一定のリターンをもたらしやすい点で、多くの人にとって好ましい資産形成のやり方である」としています。

⑤金融リテラシーの向上
金融リテラシーとは、社会人として金融に関する知識や情報を正しく理解し、自らが主体的に判断することのできる能力のことです。
簡単に言えば「お金の知識」ということになりますね。

社会人として正しいお金の知識を身に付けて、確定拠出年金やNISA・つみたてNISAの制度等を活用しながら、自分で老後資金を準備していくことが基本線で、もしも自分で行うことが難しい場合は、信頼のできるアドバイザーを見つけて、アドバイスをもらいながら投資を行って準備をしてくださいということが書かれています。

このように公的年金はこれまでのようには期待できませんし、退職金も減っているため、なるべく長く働いて稼ぐことと、ライフプランに合わせて上手に資産運用を行い、国民の皆様の自助努力でなんとかしてくださいというのが、今回の報告書の内容です。
これはお金の知識を持っている方にとっては、目新しい情報でもなんでもないですね。

そのような内容の発表にもかかわらず、政府に対して批判的なコメントが多いことには驚きましたし、また、それと同時に、日頃からFPとして情報発信をしていることが全然足りていなかったことを痛感しています。

ライフプランと資産運用&資産管理の専門家として数多くの講演の機会をいただいたり、メディアに原稿を書かせていただいたり、金融機関の職員に対する教育の機会をいただいているにもかかわらず、世間に対して十分に伝えられていないことを残念に思い、今後どのように取り組んでいくかを考えているところです。

【著者】
久保 逸郎(FPオフィス クライアントサイド代表)

ファイナンシャルプランナー
金融知力インストラクター
日経情報活用アドバイザー(日経メディアプロモーション公認)

<講師プロフィール>
高校を1年で中退。独学で大学入学資格検定を取得して大学進学。
大学卒業後は大手リース会社、外資系生命保険会社を経て、平成15年3月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立。
相談業務を中心に実務派ファイナンシャルプランナーとして活動する傍ら、ライフプランや資産運用などのお金のことについて年間100回近いセミナー等の講演活動や、マネー雑誌等への原稿執筆などを行っている。


<主なメディア実績>
読売新聞・朝日新聞・朝日新聞AERA・東洋経済・財界九州・エコノミスト・マネープラス・FPジャーナル・ファイナンシャルアドバイザー・TVQ九州放送「九州けいざいNOW」・FBS福岡放送「めんたいワイド」・九州朝日放送「ニュースぴあ」ほか

近況報告

Financial Adviser 2019SUMMER

2019513日 自主開催勉強会開催
『~IMFは世界経済の成長に懸念~ 最新の投資環境(20195月)』

2019514日 福岡県内の銀行の資産運用セミナーで講演
投資の必要性と基本的な考え方について説明を行いました。

2019520日 Financial Adviser夏号に寄稿
3人のエキスパートとして、資産運用について10ページ執筆。

2019529日 福岡県内の保険会社で新入社員研修
日本経済新聞の読み方について説明しました。

プライベート

【グリーンボウルトーナメント3位】
アメリカンフットボールですが、メインスポンサーが株式会社オーパーツから株式会社に代わって、気持ちも新たに春のトーナメント(西日本の上位4チームによるトーナメント)に挑みました。

511日(土) 神戸:王子スタジアム
みらいふ福岡SUNS 10-38 エレコム神戸ファイニーズ

526日(日) 神戸:王子スタジアム
みらいふ福岡SUNS 52-27 アズワンブラックイーグルス

初戦は昨年国内6位の強豪エレコム神戸に敗れてしまいましたが、3位決定戦は学生日本一経験のある新人QBと外国人選手が大活躍して、強豪のアズワンに勝利。本番の秋に向けて手応えを得ることができました。

   ごあいさつ

代表者 久保 逸郎

ライフプランと資産運用(投資)のエキスパート

プライベートでは週2回程度テニスをして、週末はランニング(マラソン)やキャンプ、スキー&スノーボード、シーカヤックなどを楽しんでいるアウトドア派。
大学時代から約30年間はアメリカンフットボールに携わっていました。
元オクトーバーベアーズ選手→コーチ→代表
'17~19みらいふ福岡SUNSコーチ

仕事やスポーツの時は真剣ですが、普段は温和な性格です。
どうぞお気軽にご相談ください。

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