あけましておめでとうございます。


皆様はどのような年末年始を過ごされたでしょうか？私は毎年恒例になっている息子と事務所に泊まり込んでの大掃除などで、年末は30日まで仕事を行いました。


年始は元旦に親戚と食事をして、その後はテレビでサッカーの天皇杯決勝や箱根駅伝、アメリカンフットボールのライスボウルとのんびりスポーツ観戦をして過ごしました。


ライスボウルでは富士通に所属をしている福岡出身の元チームメイトが日本一に輝いて嬉しかったですね！


■トランプ次期大統領への期待感
さて、円安・原油高の影響もあって、1月4日の大発会は日経平均479円高の幸先良いスタートとなりました。
この背景にあるのは、昨年末のメールマガジンでお伝えしたように、米国経済が順調に進んでいることがあります。


そこにきてトランプ次期大統領の掲げる減税やインフラ投資が加われば、さらに米国経済が加速して成長していくだろうとの期待が大きくなっているようです。


現実的には議会との調整などの課題が残されているので、トランプ次期大統領が選挙で掲げた公約をそのまま実行に移せるかどうかはわかりません。


行き過ぎた保護主義に対して、国際的な反発が起こることも十分に予想されます。


しかし、今は期待感のほうが上回っている状況です。
どこかでこの期待が失望に変わらないことを願いたいものですね。


■3月のオランダ議会選挙に注目
今年はトランプ次期大統領に振り回される一年になりそうですが、忘れてはならないのは欧州に火種が残っていることです。


その火種とは、昨年の英国のEU離脱で見られたようなポピュリズム（大衆迎合主義）がさらに進んでいくことです。
2016年12月21日のブルームバーグの報道でもこのことが取り上げられていました。


今年3月15日に実施予定のオランダ議会選挙では、イスラム系移民の排斥や反EUを掲げる野党の自由党が第1党になりそうな勢いです。


また、年内にイタリアで総選挙が行われる可能性も残されています。
イタリアは昨年持ち上がった銀行の債務問題を、EUと協力しながら解決の道を探っている段階ですが、反EUを掲げる政党の五つ星運動が台頭しており、混乱を招く懸念があります。


さらにドイツ総選挙やフランス大統領選挙も予定されています。


昨年の英国のように反EUの勢力が拡大するようなことがあれば、再び世界経済が混乱に陥る可能性もあると考えています。


■ポピュリズム（大衆迎合主義）拡大のリスク
反EUや移民排除は個人の考えなので尊重されるべきだと思います。
しかし、これまで長年作り上げてきた枠組みを大きく変えてしまう危険性があります。


また、米国でトランプ氏が「アメリカ・ファースト」と保護主義を掲げて大統領選挙で勝利したように、長期的視点での国益よりも、労働者層が求める目先の労働場所の確保など、短期的な利益の方向に動いてしまうことが懸念されます。

行き過ぎた保護主義は短期的には自国経済にとってのメリットになるかもしれませんが、長期的には成長力低下につながると思われるからです。


今年は順調なスタートとなりましたが、このようなポピュリズム（大衆迎合主義）拡大のリスクを忘れてはいけません。


まずは3月のオランダ議会選挙から注目をしていきましょう。