今年1月29日に日本銀行がマイナス金利の導入を発表してから、期間の短い国債はもちろん、10年国債（長期金利）の利回りまでマイナス水準になることが起きています。

このような状況から各銀行が預貯金の金利引き下げに動いています。
三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行やりそな銀行などが普通預金の金利を0.001％まで引き下げ、ゆうちょ銀行も2月23日から通常貯金の適用金利を0.001％に引き下げました。


地元のふくおかフィナンシャルグループの3行（福岡銀行・親和銀行・熊本銀行）も3月7日から普通預金金利を0.001％に引き下げました。


また、保険会社も予定利率の引き下げや、貯蓄性のある保険商品を販売停止する動きが加速しています。
銀行窓口等で人気があった一時払い終身保険も運用難のため、富国生命が販売停止、第一フロンティア生命保険が一部の円建て終身保険の販売を取りやめました。


■配当利回りが高い高配当株に注目
このような環境下では、リスクを取らないとお金は殖やすことはできません。
しかし、マイナス金利を導入しなければならなかった状況ですから、足元の経済状況はけっして良好とは言えません。


本来マイナス金利を導入することは、株式市場や不動産市場にとって大変な後押しになるはずなのですが、マイナス金利導入直後に上昇はしたものの、その後急落したように不透明感が漂っています。


そこで注目をしていただきたいのが、配当利回りが高い高配当株です。
配当利回りとは下記の計算式で求めることができます。


※配当利回りとは？
株価に対する年間配当金の割合。
配当利回り（％）＝1株当たり配当金（年間）／株価


預貯金や債券などの利回りがほとんどゼロに近い水準なのに対して、株式の利回りは比較的高く、東証一部の平均利回りは1.82％（2016年3月11日時点）になっています。


■マイナス金利は借入金の多い企業には大きなメリット
一部には配当利回りが4%を超えている銘柄もありますが、その中には株価が下がった影響で利回りが高くなった銘柄があります。


りそなホールディングス（4.00％）や島根銀行（4.08％）の配当利回りが高い利回りになっているのは、マイナス金利導入発表後の銀行株の株価下落が影響しています。
※いずれも2016年3月11日現在

これらのように株価が下がってしまって配当利回りが高くなった銘柄は不安要素があるものです。


そのため業績が比較的安定していて、株価の変動幅が小さい銘柄に注目したほうがいいと思います。
具体的にどのような銘柄かというと、電力株のような公益企業が挙げられます。


例えば中国電力は年間の配当金が50円で、現在の株価が1527円（2016年3月11日終値）なので、配当利回りは3.27％です。
電力会社なので他業種に比べて業績は比較的安定していますし、株価の変動幅も小さめです


また、中国電力のような電力会社は大規模な設備を必要するため有形固定資産の規模が大きく、借入金の規模も大きいので、マイナス金利導入で金利水準が下がることは、利払い負担が減ることにつながるので業績にはプラス材料です。


このような高配当株への投資は、株価変動の影響は避けられませんが、長期投資を行うことでインカム収入（配当収入）を積み上げていくことはできると思います。
マイナス金利が導入されている欧州でも高配当株は人気になっているので、この機会に目を向けてみてはいかがでしょうか？


＜お知らせ＞
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『世界経済の見通しと、マイナス金利時代の資産運用』
http://www.fp-office.com/seminar.html
マイナス金利の環境下での資産運用について知りたい方は、お気軽にご参加ください。