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ファイナンシャルプランナー久保逸郎のブログ「着眼大局」

著者

久保 逸郎(FPオフィス クライアントサイド代表)

ファイナンシャルプランナー
金融知力インストラクター
終活アドバイザー

日経情報活用アドバイザー(日経メディアプロモーション公認)

<講師プロフィール>
高校を1年で中退。独学で大学入学資格検定を取得して大学進学。
大学卒業後は大手リース会社、外資系生命保険会社を経て、2003年3月にファイナンシャルプランナー(FP)として独立。
相談業務を中心に実務派ファイナンシャルプランナーとして活動する傍ら、ライフプランや資産運用などのお金のことについて年間100回近いセミナー等の講演活動や、マネー雑誌等への原稿執筆などを行う。


大和投信、三菱UFJ投信などの大手運用会社のアドバイザー(講師)を10年以上経験しており、マーケット環境や投資信託の活用方法についてのアドバイスを得意としている。

<主なメディア・執筆実績>
読売新聞・朝日新聞・朝日新聞AERA・東洋経済・財界九州・エコノミスト・マネープラス・FPジャーナル・ファイナンシャルアドバイザー・バンクビジネス・みずほ銀行おかねアカデミー・TVQ九州放送「九州けいざいNOW」・FBS福岡放送「めんたいワイド」・九州朝日放送「ニュースぴあ」ほか

投資で成功する人に共通するもの

今年(1月)から新しいNISA制度が始まったこともあって、投資に関心を持つ人が増えています。
そこで今回はこれから新たに投資を始めようとする人に持っておいて欲しい6つの行動・思考特性について解説します。 

1,オープンネス(開放性)
オープンネスは、新しい経験やアイデアに対して受け入れる度合いを示します。
新たに投資を始めようとすると、これまで全く知らなかった多くの知識や経験に遭遇しますよね。
高い開放性を持つ人は、異なる視点や新しい情報に興味を持ちやすく、既存の信念を再評価することにも開かれています。
簡単に言えば、思考が柔軟で、創造的な思考に傾倒する傾向があるということ。

投資は過去のデータも大事ですが、それよりも積極的に信頼できる情報をインプットして、未来のことを考えることのほうが大事。
オープンネス(開放性)が高い人は投資で成功する可能性が高いと思います。

2,好奇心の強さ
好奇心は、未知のものや未解決の問題に対する探求心です。
好奇心が強い人は、自分の知識や理解を深めるために新しい情報を積極的に求める傾向があります。
これは知識を深めたり、多様な視点を受け入れたりする能力に直接関係しています。

れまで知らなかったことを知れることに喜びを感じて、楽しみながら知識を増やしていける人は投資だけでなく、ビジネスの世界でも重宝されているでしょう。
但し、正しい知識や質が高い情報をインプットすることが大切なのであって、浅い知識・質が悪い情報などをいくらインプットしても、投資に関しては仇となってしまうことが多いもの。
日本経済新聞や専門家が発する情報など、信頼できる情報に限って仕入れて、素性や経歴がわからないブロガーやインフルエンサーなどが発する情報は遮断することも大切になってきます。

3,批判的思考能力
批判的思考は、情報を分析し、論理的に考え、合理的な判断を下す能力です。
批判的思考能力が高い人は、情報の源や信頼性を評価し、複数の視点から物事を考えることができます。
彼らは、単純な受け入れではなく、情報を積極的に評価し、分析する傾向があります。

「大衆は常に間違う」という有名な投資格言があるように、多くの人は思い込みや錯覚のまま行動し、判断を行います。
アクティブファンドのコストとリターンには明確な相関関係は無いにもかかわらず、思い込み(錯覚)で「コストが高い投資信託はダメだ」などと言っている人はこの典型例でしょう。

批判的思考能力を持つ人は、そのような思い込みや錯覚の罠にははまらない可能性が高いと思います。

 4,認知的柔軟性
認知的柔軟性は、異なる思考モードや視点の間で効果的に切り替える能力を指します。
この特性を持つ人は、状況や問題に応じて思考のアプローチを柔軟に変えることができます。
これにより固定化された思考パターンや偏見から離れ、より多様な解決策やアイデアを考え出すことが可能になります。

人間は自分にとって都合の良い情報ばかりを集めてしまう生き物です。
しかし、リスク管理の部分を含めて、多角的な視点で物事を考えないと、投資で大やけどしてしまう可能性が高くなってしまいます。

個人投資家は運用会社のように様々な人材を集めて投資判断を行うことが出来ません。
そのため毛色の違う運用会社やストラテジスト・アナリストなどの情報を複数、定期的にウォッチするようにしたいものです。

5,モチベーションと目標指向性
個人の目標や価値観、モチベーションが思考プロセスに与える影響は大きいもの。
自己成長や知識の拡張に強い価値を置く人は、学び続け、新しい情報に対して積極的に取り組む傾向があります。

長期投資の道のりはとても長いため、目標やモチベーションがしっかりとしていないと、なかなか投資を続けていくことが出来ません。

6,感情的知性(EQ
感情的知性は、自分自身や他人の感情を認識し、理解し、管理する能力です。
EQが高い人は情報やアイデアを処理する際に、感情の影響を考慮し、感情的なバイアスから自分を解放することができます。
これにより、より客観的でバランスの取れた視点を維持することが可能になります。

そもそも人間の脳は投資に向いていません。
都合よく、感情に従って投資を行ってしまうと、ほぼほぼ失敗してしまうでしょう。
自分自身の感情を理解しながらコントロールして、論理的に判断をする能力は、投資で成功するために不可欠な能力です。

ここまで投資を始めようとする人に持っておいて欲しい6つの行動・思考特性について解説してきましたが、投資で成功するための能力と、仕事(ビジネス)で成功するための能力はほぼ同じ。
ビジネスの世界で成功している経営者が、投資でも上手くいくことが多いのは当たり前なのかもしれません。

裏を返せば、ビジネスの世界で成功していない人が、投資で成功するのはなかなか難しいのです。
仕事(ビジネス)が上手くいっていない人は上記の6つの行動・思考特性を身に付けることから始めてみてはいかがでしょうか?

学生時代のアルバイト経験が社会人になってから役立つ場面は多い

大学の後期試験が終わった息子が、来月から近所のコンビニでアルバイトを始めるそうです。
時給は1000円。
人手不足もあってか、最近はアルバイトのスタート段階から時給1000円を超えてくるんですね。
体育会の部活動をしながらのため、アルバイトが出来るのは限られた時間にはなると思いますが、コンビニの仕事は多岐に渡りますから、本人にとっては良い経験になると思います。

私自身は16歳で高校を中退してから、大学を卒業する25歳までの9年間に喫茶店のウエイターやレストランの調理担当、工務店の作業員、イベントスタッフ、夏休みの旅館スタッフ、学習塾の講師(高校生の英語と日本史の授業を担当)、モスバーガーの調理担当、アート引っ越しセンターの引っ越し作業、家電の配送や取り付け、ガソリンスタンド、スポーツクラブのインストラクター、不動産(リロケーション物件)の案内スタッフなど、たくさんのアルバイトを経験しました。

アルバイトの経験は社会人になってから大変役立っています。
学習塾の講師経験があったおかげで、人前で話すことには慣れていたため、ファイナンシャルプランナー(FP)として講演の仕事をすんなりと始められました。

それにレストランの調理担当をしていたおかげで、今も料理は得意なほうです。
また、ガソリンスタンドでの経験を生かして、今でもクルマのバッテリー交換や簡単なメンテナンスなんかは自分でしてしまいます。
仕事だけではなく、日常生活の場面でもアルバイトの経験が役立っていることが多いですね。

不動産の案内スタッフをしていたため、社会人1年目の新入社員研修の時に人事担当者から「教えることがない」と言われ、一人だけ自由時間をもらえたこともありました。(その時は周囲に何も無い環境だったため、研修施設のグラウンドを一人で走っていました。)

その金融機関で上司(支社長)から「久保君を新入社員とは思っていない」「自分で考えて動け」と言ってもらいましたが、学生時代にアルバイトなどを通じて多くの経験を積んでいたことが大きかったと思っています。
同じ配属先に国公立大学を首席で卒業した賢い同期がいましたが、彼に対しては細かい指導が行われていたため、その同期がよく「なんでお前だけ」と嘆いていましたね。

ジョブ型社会では特定の技能を持つ即戦力の人材が求められる

以前ニデック(旧:日本電産)の永守会長が、これまでの日本の知識を詰め込んだだけの偏差値教育を否定し、「名刺の出し方も知らないという人が毎年何百人も出てくる」などと発言して、SNSなどでかなり非難されたことがありました。

しかし、これは永守会長の発言のほうが正しくて、企業の人事制度がジョブ型に変わってしまえば(今まさに変化しようとしています)、どんな学校を出たのかということよりも、「あなたは何が出来る人なのか?」ということが問われてきます。
そのためにも必要になるのが経験。
それも机上の経験ではなく、実務を通じて得た実戦的な経験が求められます。

最近の学生達は真面目な子が多くて、大学の授業などはしっかりと聞いて、ある程度勉強は出来るんだけど、経験が絶対的に足りないといわれています。
ジョブ型社会で求められているものと、真逆の形で教育が行われてしまっているのではないでしょうか?

こうなると社会に出て苦労するのは若い人達であり、さらにその下の子供達ということになります。
近年の若者の離職率の高さにも、このような学生時代の経験不足が原因の一つになっているような気がします。

若い人だからこそ、少々の失敗をしても許されるし、失敗したことも経験という財産になって残る。
失敗を恐れずにチャレンジして、たくさんの経験を積んでいってもらいたいものです。

警固断層は今後地震が発生するリスクが最も高いと予想されている

2005年に起きたM70の福岡県西方沖地震は記憶に残っていると思います。
私は地震が起きた時は春日市の九州大学筑紫キャンパスのグラウンドでアメリカンフットボールの練習をしていましたが、北側の海の方向から「ゴォー」という音とともに揺れがやってきてビックリしたことを覚えています。
九州大学の窓ガラスが所々割れていましたね。

ちょうどタイミングよく避難場所にいたようなものなので、怪我などはしないでよかったのですが、自宅の熱帯魚を育てていた水槽が落下して、水浸しになってしまいました。

その時の地震を引き起こした警固断層には、割れ残りが存在しており、次にそこが破壊されることは多くの地震学者の共通認識になっているそうです。
しかも地震調査研究推進本部は今後30年以内に地震が発生する確率を4つのランクに分けて公表していますが、警固断層はその中で最も地震が発生する確率が高いSランクとのこと。

想定されている地震の規模はマグニチュード7.2
天神地区を中心に震度6強、福岡市中心部ほぼ全域が震度6弱以上の揺れに襲われる想定とのこと。
回の能登半島地震のマグニチュード7.6には及びませんが、阪神:淡路大震災や熊本地震(本震)のマグニチュード7.3に近いレベルの地震が、かなり高い確率で起きると予想されています。

そして警固断層の詳しい場所については、この動画が大変役に立ちます。

福岡・警固断層|福岡平野には谷が眠っている?自転車と電車で見にいこう
https://youtu.be/n0im3_Ku50k?si=B8w463OB1oWmelkV

福岡・警固断層(南東端編)|春日から筑紫野の住宅街の崖と温泉
https://youtu.be/4ZMs55G3auU?si=cEShbRFLWddGoxJo

自転車に乗って、天神周辺から警固断層を確認しながら南下していく動画ですが、撮影者は専門家レベルの知識を有していると思いますし、大変参考になります。
私も普段からクルマや自転車などで通っている場所が断層だったことを知って大変驚きましたし、興味が湧きました。

今回の能登地震を他人事として考えないで、日頃からしっかりと地震に備えるようにしておきたいですね。
地震保険に加入するかどうかを検討することももちろんですが、防災グッズや水・保存食、それにラジオや電池などの準備をしておくことが大事だと思います。
また、停電した時でもスマートフォンを充電できるように、ソーラーパネル式のモバイル発電設備やポータブル電源などもあったほうがいいかもしれません。

それぞれの状況に合わせて、地震への備えを考えてみてください。

パーソナリティ特性を知っておくと、他人と比較したりしないで済む

皆さんは行動特性テストを受けたことはありますか?
私は約3年前に仕事の関係で、本格的な行動特性テストを受けました。
その時にわかったのは、私自身のパーソナリティの特徴として、論理的にも客観的にも直感的にも主観的にも取り組むことが出来る一方で、機械的なことや芸術的なことに全く興味・関心が無いそうです。
そういえば洋服とかクルマとか時計とか全く関心がないもんなぁと思いながら、テスト結果に目を通したことを覚えています。

洋服は選ぶのも買いに行くのも面倒なので、基本的にシンプルなデザインの洋服を最低限揃えておくだけ。
スーツの時にブルー系のストライプが入っているYシャツを着ていることが多いのですが、あれこれ考えるのが面倒なんですよね。
少しはお洒落に気を遣ってみようかなと思い、ファッション雑誌を買ってみたこともありますが、いつも1回買って終わりです。
興味が無いから長続きしません。

クルマもあれこれ検討するのが面倒だから、20代の頃も今もHONDAのステップワゴン。
故障をすることなく動いてくれて、キャンプ道具やテニス・アメフトの荷物などをたくさん載せられればOKのため、何の不満もありません。
ナンバーを考えるのも面倒なので、廃車しなくてはならないような大きな事故に遭って、新車に買い替えた時でも同じナンバーを使い続けています。

注文住宅を建てた時も、内装とかカーテンとか諸々全く興味が無いため、時間をかけずにポンポン決めていたら、ベテランのインテリアコーディネーターに「私がこれまで担当してきたお客様の中で最速で終わりました」と言われてしまいました。

スポーツをやる時の道具にもあまり興味が湧かなくて、テニスのラケットを買い替えるのも5年に1回位です。
20歳位の頃からずっとWILSONのラケットを使っていて、傷んできたら仕方なく同じようなスペックのラケットの最新版に買い替えるだけです。

キャンプにはよく行きますが、道具類へのこだわりみたいなものは全然ありません。
お洒落なキャンパーに対して憧れの気持ちが無いわけではないですが、キャンプギアの雑誌なんかを見ていても、興味が湧かないためすぐに見るのを止めてしまいます。

家族から物欲の無さを笑われることもありますが、私自身のパーソナリティの特徴なので仕方ありません。
あれこれ選ぶ時間の節約が出来ますし、物質的なことにお金を使いたくならないのはメリットだと考えています。

このような感じで自分自身のパーソナリティ特性を知っておくと、他人と比較したりしないで済むのでラクに生きられます。
行動特性テストをまだ受けたことがないという方は、一度テストを受けてみてはいかがでしょうか?

 

地震保険の概要

地震と津波によって家屋や家財に被害を受けた場合、地震保険に加入していれば損害の補償を受けることができることは、FPの皆さんご承知の通りだと思います。
ここで地震保険の概要をおさらいしてみましょう。 

<地震保険の概要>
1.保険金をお支払いする場合
地震・噴火またはこれらによる津波を直接または間接の原因とする火災、損壊、埋没または流失によって保険の対象に生じた損害が全損、大半損、小半損、一部損になった場合。

2.火災保険とセットで加入
地震保険は地震保険単独では契約できません。
火災保険にセットして契約する必要があります。なお、火災保険の契約期間の中途でも地震保険の契約ができます。

3.保険の対象
地震保険の補償対象は下記の2つです。
①   居住用の建物(住居のみに使用される建物および併用住宅)
②   家財(ただし、自動車や1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石、美術品等を除く)

4.地震保険の保険金額
地震保険の契約は、建物と家財のそれぞれで契約します。
契約金額は、火災保険の契約金額の30%~50%の範囲内です。なお、建物は5,000万円、家財は1,000万円が地震保険の契約限度額になります。
マンション等の区分所有建物の場合は、区分所有者ごとに、この限度額が適用されます。

5.保険料と割引制度
保険料は、建物の構造と所在地により異なります。
また、建物の免震・耐震性能に応じた割引制度があります。

・   建築年割引(契約開始日が2001年10月1日以降)  :  10%

・   耐震等級割引(契約開始日が2001年10月1日以降) :
耐震等級1⇒ 10%
耐震等級2⇒ 30%
耐震等級3⇒ 50%

・免震建築物割引(契約開始日が2007年10月1日以降):50%

・耐震診断割引(契約開始日が2007年10月1日以降) : 10%

さらに、地震保険料の一定額が控除され、税制上のメリットが受けられる「地震保険料控除」を利用できます。

6.地震保険の公共性
地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき、政府と損害保険会社が共同で運営する公共性の高い保険で、大地震による巨額の保険金の支払いに備えて政府がバックアップしています。

被災した時の保険金請求方法

地震保険の請求を行うに際しては、できるだけ早く契約中の損害保険会社または取扱代理店のほうへ事故の連絡をしてください。
保険証券を紛失などして手元にない場合でも、損害保険会社、または取扱代理店に連絡をすれば対応してもらえます。

次に保険金請求に必要な書類を取り寄せて、下記の書類を揃えて提出してください。

<地震保険の請求時の必要書類>
①保険金請求書

②事故内容報告書、損害の発生を確認する書類およびその他これらに類する書類
(書類例)
・事故原因や損害状況に関する写真
・画像データ
・修理業者等からの報告書

③保険の対象の価額、損害の額を確認する書類
a.保険の対象の価額を確認する書類
・売買契約書、取得時の領収書、図面
・仕様書

b.損害の額を確認する書類
・修理見積書、請求書、領収書

④その他必要に応じて当社が求める書類
a.保険の対象、保険金の支払対象となる建物・家財等であることを確認する書類
・建物登記簿謄本、売買契約書

b.保険金請求権者を確認する書類
・住民票、戸籍謄本、委任状、印鑑証明書
・代表者資格証明書

c.損害が生じた物の所有者を確認する書類
・建物登記簿謄本、固定資産台帳、マンション管理規約、賃貸借契約書

d.質権が設定されている場合に保険金請求に必要な書類
・質権者の保険金請求書および債務残高証明書、保険金直接支払指図書/証

e.事故または損害の調査を行うために必要な書類
 ・保険会社所定の同意書

f.他から支払われる保険金・給付金等の額を確認する書類
・保険会社等からの支払通知書

リスクマネジメントの基本が出来ていない現状

元旦に石川県能登地方でマグニチュード7.6、最大深度7の地震が起きました。
今もまだ多くの行方不明者がいる状況で、また、多くの方々が非難生活を余儀なくされていることに心が痛みます。

愛知県で生まれ育った私にとっては、北陸地方は毎年のように海水浴に行っていた比較的身近な場所。
中学時代の同級生3人と羽咋まで行って、海の近くの民宿に泊まったことを覚えています。
また、大学時代の彼女が金沢出身だったこともあって、金沢市内にも行きましたし、能登方面にドライブに行ったこともあります。
今は福岡に住んでいますが、けっして知らない場所ではないため、心よりお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い復旧を願っております。

ファイナンシャルプランナー(FP)という職業柄というか、職業病なのかもしれませんが、今回の震災の後に北陸地方の地震保険の加入状況について調べてみました。
近年比較的大きな地震が続いていた石川県の地震保険世帯加入率は29.4%で、震源の能登半島に近く、大きな被害が出た富山県は26.3%。
ともに全国平均の34.6%を大きく下回っている状況に大変驚きました。
地震保険の世帯加入率は、耐震性に優れているマンションが多い東京都や、大きな地震が起きていない沖縄県・佐賀県・長崎県のような場所では低くなる傾向がありますが、石川県の場合は能登地方を震源とする地震が近年多く発生しており、戸建て住宅が多い地域ですから、正直なところ加入率はもっと高いものだと思っていました。

ちなみに現在私が住んでいる福岡県は近年それほど大きな地震は発生していませんが、それでも地震保険の世帯加入率は38.7%です。

調べていてパッと思いついたのは、アメリカの心理学者、行動経済学者で、2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの『我々のリスク認知は、比較的小さなリスクを過大評価し、大きなリスクを過小評価する傾向がある。』という言葉。
行動経済学で有名なプロスペクト理論を提唱したことで知られている同氏ですが、著書『ファスト&スロー』で人の意思決定の大半は、直感に委ねられているとも述べています。

近年大きな地震が続いてきたにもかかわらず、地震保険には加入していない。
これこそまさにリスクを過小評価していたことの表れではないでしょうか?
これはけっして他人事ではありません。
地震で住む家を失うという大きなリスクには備えないで、その一方で、経済的損失の規模が小さい病気などへの備えを優先して、医療保険等に加入している人が多いのが、残念ながら日本人の現実です。
発生頻度は少なくとも、大きなリスクのほうから保険を掛けて、万一に備えるというリスクマネジメントの基本が徹底されていないんですよね。

生命保険会社の立場が強い日本では、損害保険よりも生命保険のほうが優先されてきた歴史があります。
また、国民の金融リテラシーが乏しく、万一の大きなリスクよりも、目先の小さなリスク対策を優先してきたことが背景になっているでしょう。
自治体が積極的に地震保険の加入を促してこなかったことも理由になっているのかもしれません。
今回の震災のニュースを見ながら、改めて正しいリスクマネジメントの考え方について考えてもらいたいと思いました。

 

 

ほとんどの終身医療保険は解約返戻金が無い

先日主要駅に近い保険ショップの前を歩いていたら、立看板にこんなことが書かれていました。
「あなたの生命保険が古くなっていないかどうかチェックします」
「加入から2年経過していれば見直しの好機かもしれません」

保険の営業マン・セールスレディにも加入してから2~3年程度で保険の見直しを勧める人が多いけど、これには特に注意が必要!!
とくに終身医療保険なんかを見直すのは、よほどのメリットが無い限りやめたほうがいい。

その理由については、そもそもの終身医療保険の仕組みを考えれば当たり前のこと。
人間は年齢が高くなってほど病気の発症率が高くなっていく。
そのため普通は年齢が上がるほど保険料が上がっていくものなんだけど、終身医療保険の場合は若い時と年齢が上がってからの保険料は基本的に同じになっていますよね。
これは年を取ってからの保険料を前倒しで払っていることを意味します。

例えば30歳で終身医療保険に加入したとして、保障期間は終身だけど、保険料は一生変わりません。
本来なら年齢が上がっていくほど保険料は上がっていくものなので、つまり若い時に前もって高い保険料を払うことで、60歳、70歳、80歳以降の大変病気にかかりやすい時期の保険料を抑えているわけだ。

保険会社は給付金の支払いに備えて責任準備金として積み立てているんだけど、途中で解約しても基本的に解約返戻金は支払われません(一部に解約返戻金がある終身医療保険もあります)。
だから終身医療保険を解約するなんて、保険会社に寄付をするようなものなのです。
保険会社からすれば、将来の支払いに備えて貯めておいた責任準備金を返さなくていいわけですから、こんなに美味しいことはありません。

とくに「短期払」といって、保険期間が終身の医療保険の保険料を60歳、65歳等までに払い終えてしまうような支払い方があるんだけど、それを途中で見直して解約してしまったら、本当に目も当てられないですね。

保険営業の都合で切り替えを勧められることも多い

保険の営業マンは言葉巧みに「保障の範囲が広がった」「新しい特約が出来ました」「保障内容が陳腐化している」などと言ってお客様に近づいて、なんとか終身医療保険を切り替えさせようとするんだけど、そのような口車には乗らないで、とにかく若い時に良い保険に加入していたら、それを有効活用するようにしたほうがいい。
どうしても新しい保障や特約を付けたい場合には、古い保険をなるべく活かして、少し減額して一部だけを切り替えるとかで対応出来ないかを考えたほうがいいでしょう。

それに2年経過後に保険の切り替えを勧めるのは、営業員の都合であることが多い。
多くの保険会社は保険加入から2年経過を査定ポイントにしていて、お客様が保険に加入してから24ヶ月以上の期間、保険を解約しないで続けてくれたらペナルティを課さない仕組みになっている。
(2年以内に解約されたら、「戻入」といって手数料の戻し入れが必要だったり、評価が下がったりする仕組みになっています。)
だから悪質な保険営業ほど、保険に加入してから2年経過後すぐに切り替えを勧めてくるのです。

「終身医療保険は簡単に見直してはいけない」
しっかりと頭に入れておいてください。

   ごあいさつ

代表者 久保 逸郎

ライフプランと資産運用(投資)のエキスパート

プライベートでは週2回程度テニスをして、週末はランニング(マラソン)やキャンプ、スキー&スノーボード、シーカヤックなどを楽しんでいるアウトドア派。
大学時代から約30年間はアメリカンフットボールに携わっていました。
元オクトーバーベアーズ選手→コーチ→代表
'17~19みらいふ福岡SUNSコーチ

仕事やスポーツの時は真剣ですが、普段は温和な性格です。
どうぞお気軽にご相談ください。

    アクセス

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